
窓ガラスに塗るだけで省エネを実現する「節電ガラスコート」。
しかし、その性能を最大限に引き出すためには、液剤の品質だけでなく施工方法が決定的な役割を果たします。
節電ガラスコートは、当社を含むすべての施工店がローラー工法を採用しています。
本コラムでは、ガラスコーティングで使われる各工法の特徴を比較しながら、節電ガラスコートがローラー工法を採用している理由を解説します。
節電ガラスコートとは

節電ガラスコートは、窓ガラスの表面に特殊なナノテクノロジー液剤を塗布することで、夏の遮熱と紫外線カットを同時に実現する省エネ対策です。
大掛かりな工事が不要なため、既存の建物にも手軽に施工でき、フィルムや内窓と比較してもコストパフォーマンスに優れています。
- 空調負荷の低減:夏の冷房時の空調負荷を約25%低減した試験結果(環境省・環境技術実証事業)。
試験で得られた数値であり、当社の施工事例の数値ではありません - 耐久性(フィルムの約2倍):15年以上が目安(屋内施工の場合・メーカー調べ)
遮熱フィルムや内窓(二重窓)と比べて、見た目の変化が小さい点も特徴です(仕上がりはごく薄い水色、可視光透過率は施工後75%以上)。
コスト・効果・耐久性のバランスにおいて、既存建物の省エネ対策として合理的な選択肢の一つといえます。
各工法の比較
節電ガラスコートは、当社を含むすべての施工店がローラー工法で施工します。
一方、ガラスコーティングという分野全体で見ると、商品によってスポンジ・垂れ流し・スプレーガンなど異なる工法が使われており、工法によって品質・コスト・仕上がりに差が生まれます。
ローラー工法 節電ガラスコートが採用

専用ローラーを使って液剤を均一に塗り広げる工法。
面全体に一定の圧力をかけながら塗布できるため、液剤がガラス面に均等に密着します。
塗布量のコントロールが容易で仕上がりのムラが出にくく、施工者の技術習得も比較的短期間で可能なため、品質を安定させながら施工コストを抑えることができます。
スポンジ工法(他のガラスコーティング)

スポンジに液剤を含ませてガラス面に塗り広げる方法。
スポンジへの含ませ方や力加減によって塗布量にばらつきが生じやすく、塗膜の均一性を保ちにくい工法です。
垂れ流し工法(他のガラスコーティング)
液剤をガラス面に大量に流し、重力で広がらせながら余分を拭き取る方法。
液剤の使用量が多くなりやすく、部位によって遮熱性能にばらつきが生じるリスクがあります。
スプレーガン工法(他のガラスコーティング)

液剤をスプレーガンで吹き付ける方法。
ミストの飛散による周辺への付着リスクがあり、養生が大掛かりになります。
塗膜の厚みをコントロールしにくく、均一性に課題が残ります。
遮熱フィルム貼付 代替手段
フィルムをガラス面に貼る方法。
経年劣化による浮き・剥がれ・変色が起きやすく、耐久性はガラスコートの約半分(5〜10年)です。
型ガラス(凹凸のあるガラス)や曲面ガラスには貼れません。
なぜローラー工法なのか

私たちがローラー工法を採用しているのは、「高品質な仕上がり」と「施工コストの最適化」を両立できる、理にかなった方法だからです。
- ① 塗布量のコントロールで性能を担保する
ローラーは液剤の含ませ量と塗り広げる面積を施工者が直感的に調整できるため、塗布量を適正な範囲に保つことが容易です。
塗布量が少なすぎると遮熱性能が十分に出ず、多すぎると仕上がりに影響するため、このコントロール性の高さが性能の安定に直結します。 - ② 液剤のロスを最小限に抑える
垂れ流し工法やスプレーと異なり、必要な量だけを的確に塗布できるため、液剤の無駄が少なくなります。
材料費の削減が施工コストの抑制に直結し、お客様への価格還元にもつながります。 - ③ 施工者の技術習得が容易
スポンジ工法に比べ、力加減のコントロールがしやすく、短期間で安定した施工品質を習得できます。
節電ガラスコートはメーカー指定の施工店(当社を含む)が施工研修を行っており、全施工店がこのローラー工法で施工するため、どの施工店に依頼しても仕上がりに大きな差は出にくくなっています。 - ④ 養生・後処理の負担が少ない
スプレー工法のような飛散リスクがなく、周辺への養生作業が最小限で済みます。
施工時間の短縮と作業効率の向上につながります。
液剤の施工性が支える品質
ローラー工法の優位性を最大限に引き出すのが、液剤そのものの施工性の高さです。
節電ガラスコートの液剤(メーカー:株式会社スケッチ)には、ローラー施工との相性を考えた二つの特性があります。
塗布量のコントロール性
液剤の粘度はローラーで塗り広げた際にガラス面に留まりながら均一に広がるよう精密に設計されています。
粘度が低すぎれば垂れ落ちが生じ、高すぎれば塗り広げにくくなります。
この「ちょうどよい粘度」が、施工者による塗布量の調整を容易にし、適正量の塗布を安定して実現します。
結果として、遮熱性能を面全体にわたって均等に担保することができます。
レベリング特性による均一な仕上がり
液剤には優れたレベリング性(自己平滑性)があります。
ローラーで塗布した直後は多少の塗りムラが生じることがありますが、液剤にはレベリング性があり、ローラーの跡がある程度ならされます。
施工者の技術とあわせて、仕上がりの品質を安定させやすくなります。
さらに液剤はガラス面にしっかり密着します。
塗布後の可視光透過率は75%以上で、仕上がりはごく薄い水色です。
まとめ
節電ガラスコートの性能は液剤だけで決まるのではなく、「液剤と工法の組み合わせ」によって初めて最大限に発揮されます。
塗布量のコントロール性の高さと液剤のレベリング特性——この二つが掛け合わさることで、遮熱性能を面全体で安定させやすくなります。
ローラー工法は、コストを抑えながら安定した仕上がりを得やすい施工方法です。
私たちがこの工法にこだわるのは、お客様に費用対効果の高い省エネ対策をご提供したいと考えているからです。
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この記事に関するよくある質問
- Q.節電ガラスコートとは何ですか?
- A.今ある窓ガラスの内側のガラスに、施工するガラスコートのことです。夏は近赤外線をカットして太陽からの直射熱が入るのを防ぎ、日射のある日中の空調にかかる負荷を軽減します。環境省の環境技術実証事業(ETV)で、夏の冷房時の空調負荷を約25%低減、冬場を含む通年では12.8%低減した試験結果がございます。空調費が電気代の50%を占める施設であれば、ETVの通年の空調負荷低減率12.8%から、電気代全体では6.4%の削減につながると試算できます。また、紫外線(紫外線A波、紫外線B波)をカットもできます。近赤外線と紫外線をWでカットできるのも節電ガラスコートの特徴です。
- Q.デメリットはありますか?
- A.主なデメリットとして、施工時に除光液のような溶剤臭が発生すること(換気により2〜3時間でほとんど気にならなくなり、完全に抜けるまでは半日程度)、完全硬化まで夏は約半月・冬は約1か月かかるため窓の清掃をお待ちいただくこと、防音効果や防犯ガラスとしての機能はないことが挙げられます。ただし、低コスト・高耐久・遮熱・UVカットといったメリットを総合的に考えると、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。
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この記事を書いた人
すがや住宅商品のフランチャイズ本部で、技術サポート、リフォームブランド運営、規格住宅ブランドの立ち上げ・運営、研修講師、商品開発、工務店での家づくりサポートを担当。また、工務店の注文住宅づくりでお客様との打ち合わせや、現場を経験。 その後、節電ガラスコートと出会い、現場施工に転身。 暑い/寒いを我慢しない、紫外線攻撃に負けない、そんな住環境を皆様に届けようと日々奮闘。 どんな時も楽しくをモットーに、現場も楽しんでいます。
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