「ペアガラス(複層ガラス)の家なのに、夏になるとリビングや2階が暑い」——そんな違和感には、はっきりした理由があります。ペアガラスが得意なのは冬の寒さ対策で、夏の日差しの熱(日射熱)は意外なほど通してしまうのです。
本記事では、ペアガラスでも夏暑くなる仕組みを解説し、遮熱フィルム・ガラス交換・内窓など5つの対策を費用と注意点で比較します。フィルムで心配な「熱割れ」、そして今ある窓に塗るだけの「節電ガラスコート」という選択肢まで、まとめて紹介します。

ペアガラスなのに夏は暑いのはなぜ?——防げるのは「伝導」、通すのは「放射」
熱の伝わり方には「伝導」「対流」「放射」の3種類があります。冬に窓辺が冷えるのは、外の冷気がガラスを伝わって入ってくる「伝導」が主な原因です。一方、夏の暑さの主役は、太陽の日差しがガラスを通り抜けて室内を直接温める「放射(日射熱)」です。
ペアガラスは、2枚のガラスの間に空気の層を挟んだ構造です。空気の層が「伝導」による熱の出入りを抑えるため、冬の保温や結露対策には高い効果を発揮します。

(2枚のガラスの間の空気層が、「伝導」による熱の移動を抑える)
ところが、一般的な透明ペアガラスは、日差しに含まれる赤外線の多くをそのまま通します。つまり「冬の寒さには強いのに、夏の日射熱にはほぼ無防備」という状態です。南向きや西向きの大きな窓ほど、この影響は大きくなります。
こんな症状は「窓の日射熱」が原因かもしれません
- 午後から夕方にかけて、特定の部屋だけ暑くなる
- 窓の近くに立つと、ジリジリとした熱を感じる
- カーテンを閉めても部屋の暑さが変わらない
- エアコンの設定温度を下げても効きが悪い
当てはまる場合、暑さの入り口は「窓」です。エアコンの増強よりも先に、窓の日射熱対策を検討する価値があります。
ペアガラスの夏の暑さ対策5選——費用と特徴を比較

ペアガラスの窓に後から追加できる暑さ対策は、大きく5つあります。
①遮熱カーテン・すだれ
手軽に始められますが、日射熱はガラスを通過した時点で室内を温め始めるため、効果は限定的です。閉めている間は視界と明るさも犠牲になります。
②遮熱フィルム
窓の内側に貼るフィルムで、日射熱をカットします。一般相場は18,000円〜/㎡(税別)、耐用年数は5〜10年です。ただしペアガラスへの施工は「熱割れ」のリスクがあり、メーカーや施工店に断られる場合があります(詳しくは後述します)。
③Low-E複層ガラスへの交換
遮熱性能を持つLow-E複層ガラスに交換する方法で、一般相場は45,000円〜/㎡です。効果は高い一方、窓ごとの交換工事になるため費用と工期がかかります。
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(ガラス交換は窓ごとの取り外しをともなう工事になる)
また、マンションでは窓ガラスが「共用部」にあたります。交換には管理組合の承認が必要で、個人の判断だけでは進められないケースが多い点にも注意が必要です。
④内窓(二重窓)の追加
今ある窓の内側にもう1枚窓を付ける方法で、一般相場は40,000円〜/㎡です。断熱・防音に優れますが、主に強化されるのは「伝導」への対策です。日射熱を防ぐには遮熱タイプのガラスを選ぶ必要があり、開け閉めが二度手間になるという声もあります。
⑤節電ガラスコート(塗る遮熱)
今あるペアガラスの室内側に、遮熱コーティングを直接塗る方法です。窓の交換が不要で、施工は最短1日。価格は税込13,200円〜/㎡です。日差しに含まれる近赤外線を80%以上カットしながら可視光は通すため、部屋の明るさは保てます。
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(施工はローラーで塗るだけ。窓の取り外しや大掛かりな工事はありません)
5つの対策を費用と特徴で比較すると、次のようになります。
対策 | 費用の目安 | 耐用年数 | ペアガラスへの施工 |
|---|---|---|---|
遮熱カーテン・すだれ | 市販品による | — | 可(効果は限定的) |
遮熱フィルム | 18,000円〜/㎡ | 5〜10年 | 熱割れリスクがあり不可の場合あり |
Low-E複層ガラスへ交換 | 45,000円〜/㎡ | — | 窓ごと交換(マンションは要承認) |
内窓(二重窓) | 40,000円〜/㎡ | — | 可(日射熱対策はガラス選び次第) |
節電ガラスコート | 税込13,200円〜/㎡ | 15年以上 | 施工できるケースあり(要写真確認) |
※節電ガラスコートは税込価格、その他は一般相場(税別)です。いずれもガラスの種類や現場条件で変動します。節電ガラスコートの最低施工面積は10㎡で、これを下回る面積でも10㎡分(税込132,000円〜)を申し受けます。
ペアガラスに遮熱フィルムを貼るときは「熱割れ」に注意
熱割れとは、ガラス面の温度差によってガラスが自然にひび割れる現象です。フィルムを貼ると、フィルムが吸収した熱でガラスの一部だけが高温になり、サッシに隠れた低温の部分との間で温度差が生まれて割れることがあります。
ペアガラスは1枚ガラスより熱がこもりやすい構造のため、熱割れリスクが高いガラスに分類されます。網入りガラスや熱線吸収ガラスも同様です。フィルムメーカー各社が「ペアガラスへの施工は不可・要相談」としているのは、このためです。
「せっかくのペアガラスにフィルムを貼ったら割れた」という事態を避けるには、ガラスの種類に合った対策を選ぶことが大切です。なお熱割れのリスクは、フィルムに限らずコーティングや窓ガラス自体にも条件次第で存在します。施工前に窓の写真でリスクを確認してくれる施工店を選びましょう。
今ある窓に塗るだけの「節電ガラスコート」とは
節電ガラスコートは、今ある窓ガラスの室内側に専用の液体コーティングを塗り、日射熱を抑える施工です。窓の交換や撤去が不要で、施工は最短1日。足場も基本的に不要のため、住みながら・営業しながら導入できます。
日差しに含まれる近赤外線を80%以上、紫外線を99%以上カットします。環境省の環境技術実証事業(ETV)をはじめとする第三者機関の試験では、空調費を約25%削減できたという実証データが示されています。試験で得られた数値であり、当社の施工事例の数値ではありません。試算では控えめに20%程度で見込むことをおすすめしています。効果が主に発揮されるのは、日差しのある日中です。
耐用年数は15年以上(屋内施工の場合)で、遮熱フィルム(5〜10年)の約2倍です。冬は、室内の暖房熱を窓のコート面で吸収・再放射し、外へ逃がしにくくします。施工時は除光液のような臭いがありますが、換気すれば2〜3時間でほとんど気にならなくなり、完全に抜けるのは半日程度です。

ペアガラス・Low-E複層ガラスへの施工は、フィルムよりは熱割れリスクが低く、施工できるケースもあります。ただしリスクがゼロになるわけではなく、熱割れリスクが高いと判断した場合は施工をお断りしています。可否は公式LINEで窓の写真や図面をお送りいただいたうえでご確認ください。
価格は税込13,200円〜/㎡(すりガラス・型板ガラスタイプは税込15,400円〜/㎡)です。最低施工面積は10㎡で、これを下回る面積でも10㎡分(税込132,000円〜)を申し受けます。たとえば施工面積の合計が12㎡なら、税込158,400円〜が目安です(13,200円×12㎡。養生・運搬などの諸費用や出張費は別途お見積りです)。
よくある質問
Q. ペアガラスは夏は暑いですか?
A. 一般的な透明ペアガラスは、冬の「伝導」対策には強い一方、夏の日射熱(放射)は多くを通します。日当たりのよい窓では、夏は暑さを感じやすくなります。
Q. ペアガラスの欠点は何ですか?
A. 夏の日射熱を防ぎきれないこと、交換費用が高額なこと、マンションでは窓が共用部扱いのため個人の判断だけでは交換しにくいことが挙げられます。
Q. ペアガラスに遮熱フィルムは貼れますか?
A. 熱割れリスクがあるため、メーカーや施工店に断られる場合があります。貼れる製品でも、ガラスの種類・方角・サッシの状態の事前確認が必要です。
Q. 節電ガラスコートはペアガラスにも施工できますか?
A. 施工できるケースがあります。ただし熱割れリスクがゼロになるわけではなく、リスクが高いと判断した場合は施工をお断りしています。公式LINEで窓の写真・図面をお送りいただければ、無料で可否とお見積りをご案内します。
Q. 冬の寒さにも効果はありますか?
A. ペアガラスの空気層による断熱はそのまま活きます。節電ガラスコートは、室内の暖房熱を窓のコート面で吸収・再放射し、外へ逃がしにくくします。結露の抑制(50%以上)も期待できます。
まとめ:ペアガラスの「冬の強さ」はそのまま、夏の弱点だけを補う
ペアガラスが夏に暑いのは製品の欠陥ではなく、「伝導に強く、放射(日射熱)に弱い」という構造上の特性です。だからこそ、夏の対策は日射熱をカットする方法を選ぶのが近道です。
窓を交換せずに日射熱を抑えたい方には、今ある窓に塗るだけの節電ガラスコートが有力な選択肢です。ペアガラスの冬の強さはそのままに、弱点の夏だけをピンポイントで補えます。
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お見積りは無料です。公式LINEで窓の写真・図面・サイズをお送りいただければ、施工可否の確認とあわせてご案内します。>>無料お見積り・ご相談はこちら
この記事に関するよくある質問
- Q.節電ガラスコートとは何ですか?
- A.今ある窓ガラスの内側のガラスに、施工するガラスコートのことです。夏は近赤外線をカットして太陽からの直射熱が入るのを防ぎ、冬は室内の暖房熱を窓のコート面で吸収・再放射し、外へ逃がしにくくします。そのため空調にかかる負荷が軽減され、環境省の環境技術実証事業(ETV)の実証試験では、エアコン代(空調費)を約25%削減した結果が得られています。これは試験で得られた数値であり、当社の施工事例の数値ではありません。なお電気代全体に対する削減率は「空調費の削減率 × 電気代に占める空調費の割合」で決まる別の数値で、その施設・ご家庭の空調の利用割合によって変わります。たとえば電気代の50%を空調費が占める場合で、電気代全体のおおよそ12%にあたります。また、紫外線(紫外線A波、紫外線B波)をカットもできます。近赤外線と紫外線をWでカットできるのも節電ガラスコートの特徴です。
- Q.デメリットはありますか?
- A.主なデメリットとして、施工時に除光液のような溶剤臭が発生すること(換気により2〜3時間でほとんど気にならなくなり、完全に抜けるまでは半日程度)、完全硬化まで夏は約半月・冬は約1か月かかるため窓の清掃をお待ちいただくこと、防音効果や防犯ガラスとしての機能はないことが挙げられます。ただし、低コスト・高耐久・遮熱断熱・UVカットといったメリットを総合的に考えると、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。
- Q.窓ガラスフィルムとの違いは何ですか?
- A.フィルムは貼付型で耐久年数が5〜10年程度ですが、節電ガラスコートは塗布型で15年以上の耐久性があります。また、フィルムは膜厚50〜150μmに対し、ガラスコートは約8μmと薄いため、窓の見た目や透明性への影響が少なく、熱割れリスクも低くなります。さらに、型ガラスや曲面ガラスなどフィルムが貼れない窓にも施工可能です。
- Q.ペアガラス(複層ガラス)にも施工できますか?
- A.はい、ペアガラスへの施工も可能です。ペアガラスに施工することで、もともとの断熱性能にプラスして遮熱・UVカット効果が加わり、より高い省エネ効果が得られます。特に結露抑制効果はペアガラスとの組み合わせで大幅にアップします。ただしペアガラス(複層ガラス)・LOW-E複層ガラスは、内外のガラスに温度差が生じやすく、もともと熱割れの可能性があるガラスです(コーティングに限らず、フィルム施工や窓ガラス自体でも同様です)。フィルムよりは熱割れリスクが低く、施工できるケースもあります。ただしリスクがゼロになるわけではなく、熱割れリスクが高いと判断した場合は施工をお断りしています。可否は公式LINEで窓の写真や図面をお送りいただいたうえでご確認ください。
- Q.節電ガラスコートの特徴は?
- A.既存の窓ガラスにコートすると、夏は暑い太陽熱をコートした面で、いったん約60%吸収し、その内の40%近くを再放射します。その分遮熱します。西日や太陽の日差しのきつい場合、直遮熱で最大約20℃の温度差が生じます。室内全体では、2〜3℃下がります。冬場は反対に、室内の熱を吸収し再放射するため、窓冷えせずに室内の温かさを保つことができます。
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この記事を書いた人
多田断熱リフォーム事業の責任者を経験し、全国の中古住宅の断熱性能を高める必要性を強く実感するも、コスト面(最低でも1,000万円〜)で全国に広めていくことの難しさを痛感。独立後に『コストを抑えて高い効果を発揮する節電ガラスコート』に出会い、自身で事業展開。法人施設から個人住宅まで様々な現場を手がけるとともに、法人向けに節電コンサルティング事業も行っている。
施工後のリアルな感想は
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