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職場の熱中症対策 義務化ガイド
2025年6月1日から、職場の熱中症対策の一部が罰則つきの義務になりました。2026年3月には、厚生労働省が新しいガイドラインも公表しています。 このページでは、法令で義務になったこととガイドラインで「望ましい」とされていることを分けて、企業がやることを図で整理します。
3つ
事業者の義務
6か月
以下の拘禁刑
50万円
以下の罰金
最終確認日:2026年10月15日(出典はページ下部に記載)


2026年10月、報告体制を整えていなかった疑いで全国初の書類送検
大阪府の土木工事現場で、作業員の方が暑い中での作業中に亡くなった事案です。元請けの会社と代表者が、熱中症が疑われる人を見つけたときの報告体制と、悪化を防ぐ手順を定めて周知していなかった疑いで、労働安全衛生規則第612条の2違反として書類送検されました(羽曳野労働基準監督署・2026年10月5日発表)。報告体制についての送検は、義務化以降で全国初、手順についての送検は全国2例目とされています。
※送検は捜査段階の判断で、有罪が確定したものではありません。
ひと目でわかる:対象になる作業と、やること
暑さの条件(どちらか)
WBGT(暑さ指数)
28度以上
または 気温
31度以上
時間の条件(どちらか)
連続して
1時間以上
または 1日に
4時間超
「熱中症を生ずるおそれのある作業」に当たる → 作業を始める前までに、次の3つ
義務1
報告させる体制を整える
誰に・どうやって報告するか
義務2
悪化を防ぐ手順を作る
離脱・冷却・搬送の手順と連絡先
義務3
作業する人に周知する
掲示・メール・文書で知らせる
※屋外・屋内を問わず、出張先での作業、作業場所から作業場所への移動、臨時の作業・ふだんと違う作業も、条件を満たせば対象です。暑さの条件は、原則として作業する場所でWBGT値または気温を実測して判断します(通風のよい屋外作業などでは、天気予報や環境省の熱中症予防情報サイトを使ってもよいとされています)。
「義務」と「望ましい」は分けて考える
義務・罰則あり労働安全衛生規則
- 報告させる体制を整える(第612条の2)
- 悪化を防ぐ手順を作る(第612条の2)
- 作業する人に周知する(第612条の2)
- 多量の発汗を伴う作業場に塩と飲料水を備え付ける(第617条)
望ましい・努める2026年3月 ガイドライン
- WBGT指数計で作業場所の暑さを把握する
- WBGT値を下げる(遮へい・屋根・通風・冷房)
- 涼しい休憩場所を確保する
- 休憩・暑さに体を慣らす期間・作業中止の基準を決める
- 秋〜冬に振り返り、次の夏に生かす
2025年6月から義務になったこと
根拠は、2025年6月1日に施行された改正労働安全衛生規則の第612条の2です。熱中症による死亡災害の多くが、初期症状の放置や対応の遅れによることから、早く見つけて悪化を防ぐための体制と手順を整えることが求められています。
- 義務1
報告させる体制を整える
熱中症の自覚症状がある人や、熱中症が疑われる人を見つけた人が、誰に・どうやって報告するかを事業場ごとにあらかじめ決めておきます。電話での報告のほか、巡視、2人以上で互いの体調を確認するバディ制、ウェアラブル機器の活用なども例として挙げられています。
- 義務2
悪化を防ぐ手順を作る
作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じて医師の診察・処置を受けさせること(医療機関への搬送)などの手順と、事業場の緊急連絡網・緊急搬送先の連絡先を作業場ごとに決めておきます。厚生労働省の手順例を参考にしてもよく、作業の実態に合わせて自社で定めることもできます。
- 義務3
作業する人に周知する
決めた報告体制と手順・緊急連絡先を、作業する人に知らせます。掲示、メール、文書の配布などの方法があります。自社の社員だけでなく、同じ場所でその作業に従事する社員以外の人(一人親方などの個人事業者)も対象です。
いつまでに?
対象の作業が見込まれる日の作業開始前までに整えておく必要があります。熱中症が疑われる人が出た場合は、WBGT値や作業時間にかかわらず、作った手順を踏まえて対応することが重要とされています。
罰則(第612条の2に違反した場合)
違反した人(代表者など)
6か月以下の拘禁刑
または
50万円以下の罰金
労働安全衛生法 第119条
会社(法人)
50万円以下の罰金
労働安全衛生法 第122条(両罰規定)
※法令の一般的な情報です。自社の作業が対象になるか、具体的にどう対応するかは、所轄の労働基準監督署などにご確認ください。
建設現場など、複数の会社が同じ場所で作業する場合
元方事業者(元請け)
措置義務あり
関係請負人A
措置義務あり
関係請負人B
措置義務あり
一人親方など
周知の対象
各社が共同で、1つの緊急連絡先を決めて見やすい場所に掲示(方法の一例)
同じ作業場で複数の会社が作業する場合は、元方事業者(元請け)と関係請負人(下請け)のいずれにも措置義務があります。措置が行われていなかった場合、元請けだけでなく、その作業場に関わる全ての事業者に違反が生じるとされています。周知の方法としては、共同の緊急連絡先の掲示のほか、メールで送る、文書を配るといった方法が示されています。
また2026年3月のガイドラインでは、注文者や作業場所を管理する事業者もガイドラインを参考に対策を検討することが望ましいとされ、請け負った事業者から休憩場所について要望があった場合は、誠実に協議して対応することが望ましいとされています。
2026年3月のガイドラインで「望ましい」とされていること
2026年3月に厚生労働省が公表した「職場における熱中症防止のためのガイドライン」は、熱中症のリスクを評価したうえで、リスクに応じた対策を事業者が選んで実施する考え方で整理されています。多くは「望ましい」「努める」とされている内容ですが、労働安全衛生規則で定められた措置は必ず実施しなければなりません。
まず
リスクを把握する
日本産業規格(JIS)に合ったWBGT指数計で、作業場所のWBGT値を把握する。直射日光の下、熱源の近く、冷房がなく風通しの悪い屋内での作業は、実測が必要とされています。
次に
WBGT値を下げる(作業環境管理)
熱源と作業する人の間に熱を遮るものを設ける、屋外では日差しや照り返しを遮る簡易な屋根を設ける、通風・冷房の設備を設けて既存の設備を点検する。作業場所の近くに、冷房を備えた休憩場所、または日陰などの涼しい休憩場所を確保する。
それでも基準を超えるなら
作業のやり方を変える(作業管理)
休憩時間を確保して暑い場所での連続作業を短くする、身体への負担が大きい作業を避ける、暑さに慣れていない人(新しく入った人・休み明けの人など)は7日以上かけて体を慣らす。
いつも行うこと
- 衛生管理者(50人未満の事業場では安全衛生推進者または衛生推進者)を中心に責任体制を決める
- 朝礼など作業前に体調を確認する/熱中症についての教育を行う
- 水分・塩分をとりやすくする(多量の発汗を伴う作業場では、塩と飲料水の備え付けが安衛則第617条で義務)
- 夏の対策の効果を秋〜冬に振り返り、次の年の夏の対策に生かす
今から来年の夏までの進め方
ガイドラインでは、夏の対策の効果を秋や冬に振り返り、次の年の夏に生かすことが望ましいとされています。設備の見直しは工事の時間がかかるため、暑くなる前から逆算して進めるのが現実的です。
10〜12月
振り返る
夏の報告・ヒヤリハット・暑かった場所を洗い出す。衛生委員会などで、報告体制と手順を見直す。
1〜3月
設備を検討する
WBGT指数計・冷房・休憩場所・遮へい・窓まわりなど、設備の見直しを決めて、見積りと予算を取る。
4〜5月
暑くなる前に整える
設備の工事を済ませる。暑さに体を慣らす計画を立て、報告体制と手順を周知し直す。
6〜9月
運用する
WBGT値を把握して、休憩・作業中止の基準どおりに運用する。異常があれば手順どおりに対応する。
時期は目安です。対象の作業がある時期に合わせて調整してください。
業種別の要点
工場・倉庫
炉や機械などの熱源、屋根や壁からの熱、冷房の届きにくい広い空間が重なり、WBGT値が上がりやすい場所です。熱源と作業者の間の遮へい、通風・スポット冷房、作業場所の近くの休憩場所が中心になります。高窓や天窓、西面の窓から日射が入る場合は、その場所の暑さも見直しの対象になります。
工場・倉庫の暑さ対策と窓の関係店舗・飲食店
厨房の熱源や、ガラス面の大きい売り場・レジまわりが暑くなりやすい場所です。厨房は熱源からの遮へいと換気・冷房、売り場は日射の入るガラス面のそばで長く立ち続ける配置になっていないかを確認します。
飲食店・店舗の暑さ対策オフィス・事務所
冷房があっても、日射の入る窓際の席だけが暑いことがあります。対象の作業になるかどうかとは別に、窓際の席の配置、ブラインドの運用、窓から入る日射熱の対策を見直すと、空調の設定温度を下げ続けずに済みます。
オフィスが暑い原因と窓の対策建設会社
屋外の作業では、日差しや照り返しを遮る簡易な屋根、休憩場所の確保、WBGT値に応じた作業中止の基準が中心です。あわせて、常設の詰所・休憩所・資材倉庫・自社の事務所が日中に暑くなっていないかも確認します。仮設のプレハブはリース品が多いため、窓に手を加える場合はリース会社への確認が必要です。
設備の見直し:窓から入る日射熱
ここからは、法令やガイドラインの項目ではなく、設備を見直すときの当社からのご提案です。窓の対策は法令上の義務ではありません。一方で、日中に日射が差し込む窓のそばで作業や休憩をしている場合、窓から入る日射熱を抑えることは、ガイドラインの「WBGT値を下げる」「涼しい休憩場所を確保する」という考え方に沿った対策のひとつになります。

夏の冷房時、室内に入る熱の約73%は窓などの開口部から
屋根や外壁よりも、窓から入る熱の割合が大きいとされています(出典:日本建材・住宅設備産業協会。住宅を対象とした試算)。
※夏の冷房期の数値です。

こんな場所は見直しの候補です
- 日中、日差しが差し込む窓のそばで作業・休憩をしている
- 午後に西日が入る窓のそばが、ほかの場所より暑い
- エアコンを強めても、窓際だけ暑い場所がある
- 休憩場所(詰所・休憩室)の窓から、日中に直射日光が入る
窓から入る日射熱を抑える方法
すだれ・外付けのブラインド
日射を窓の外側で遮れる。建物や高さによっては取り付けられない。風や台風への備えが必要。
遮熱フィルム
窓ガラスに貼る。経年で剥がれや気泡が出ることがあり、数年おきの貼り替えが前提になりやすい。型ガラスなど貼れないガラスもある。
内窓
窓の内側にもう1枚窓を付ける。工事の期間・費用が大きくなりやすい。
窓に塗る遮熱コート(節電ガラスコート)
今ある窓ガラスの内側に塗る。窓の交換は不要で、型ガラスにも施工できる。

当社の取り扱い
節電ガラスコート
今ある窓ガラスの内側に専用のコート剤を塗り、太陽の赤外線を吸収して、室内への熱の流入を抑えます。窓の交換は不要で、休業日や営業時間外の施工にも対応します。
- 近赤外線を80%以上カット/紫外線を99%以上カット
- 環境省の環境技術実証事業(ETV)で、夏の冷房時の空調負荷を約25%低減した試験結果がございます
- 耐久の目安は15年以上(屋内施工の場合・メーカー調べ)
- 型ガラス(すりガラス)など、フィルムが貼れないガラスにも施工できる
※効果があらわれるのは、日射のある日中が中心です。効果は窓の方角・ガラスの種類・建物の条件により異なります。
料金は税込13,200円〜/㎡(税別12,000円〜)です。最低施工面積は10㎡で、これを下回る面積でも10㎡分(132,000円〜・税込)を申し受けます。諸費用(養生・運搬・現場経費等)・出張費・高所費は別途お見積りです。 営業時間外の施工は、6〜9時・18〜23時が25%割増、23〜6時が50%割増となります。
※網入りガラス・熱線吸収ガラス・ペアガラス(複層ガラス)・Low-E複層ガラスは熱割れの可能性があり、リスクが高いと判断した場合は施工をお断りしています。熱割れ計算シミュレーターで目安を確認する →
お問い合わせフォームから窓の写真・図面をお送りいただければ、無料でお見積りいたします。
社内チェックリスト(PDF)を受け取る


職場の熱中症対策 社内チェックリスト(2026年版)
こんな内容のPDFを、すぐにメールでお送りします。
- 義務対象の作業・報告体制・手順・周知・建設現場の扱い・塩と飲料水
- 推奨体制・WBGT・涼しい休憩場所・作業管理・秋冬の振り返り
- 設備窓まわりの確認メモ
そのまま印刷して、社内の確認に使えます。見積りや営業のご連絡を前提とした請求ではありません。
よくあるご質問
- Q.職場の熱中症対策の義務化はいつからですか?
- A.改正労働安全衛生規則(第612条の2)が2025年6月1日に施行され、熱中症を生ずるおそれのある作業を行う事業者に、報告体制の整備、悪化を防ぐ手順の作成、作業する人への周知が義務付けられました。
- Q.どんな作業が対象になりますか?
- A.WBGT(暑さ指数)28度以上、または気温31度以上の場所で、連続1時間以上、または1日4時間を超えて行われることが見込まれる作業です。屋外に限らず屋内の作業場所も含み、出張先での作業や作業場所間の移動、臨時の作業も条件を満たせば対象になります。
- Q.違反した場合の罰則はありますか?
- A.労働安全衛生法第119条により、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象となり得ます。会社(法人)も、両罰規定(同法第122条)により罰金の対象となり得ます。2026年10月には、報告体制を整えていなかった疑いでの全国初の書類送検も公表されています。自社の作業が対象になるかは、所轄の労働基準監督署などにご確認ください。
- Q.エアコンや窓の対策も義務ですか?
- A.第612条の2で罰則つきの義務になったのは、報告体制の整備・手順の作成・周知の3つです。冷房や休憩場所、WBGT値を下げる設備などは、2026年3月の厚生労働省のガイドラインで「望ましい」「努める」とされている内容です。窓の対策は法令上の義務ではありませんが、窓から日射が入る作業場所や休憩場所では、ガイドラインの「WBGT値の低減」「涼しい休憩場所」の考え方に沿った対策のひとつになります。
- Q.建設現場では、元請けと下請けのどちらに義務がありますか?
- A.複数の会社が同じ場所で作業する場合は、元方事業者と関係請負人のいずれにも措置義務があり、措置されていなければその作業場に関わる全ての事業者に違反が生じるとされています。周知の方法として、各社が共同で1つの緊急連絡先を決めて掲示する方法などが示されています。
- Q.夏が終わった今の時期にやっておくことはありますか?
- A.ガイドラインでは、夏の対策の効果を秋や冬に確認し、次の年の夏の対策に生かすことが望ましいとされています。報告体制や手順の見直しに加えて、休憩場所や作業場所の設備(冷房・遮へい・窓まわりなど)を見直す場合は、暑くなる前に工事を終えられるよう早めに検討するのがおすすめです。
参考・出典
- 厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について」(基発0520第6号・令和7年5月20日)
- 厚生労働省「職場における熱中症防止のためのガイドライン」(2026年3月)
- 羽曳野労働基準監督署「労働安全衛生法違反の疑いで書類送検(熱中症対策の義務化以降、全国初送検)」(2026年10月5日)
※本ページは、法令・ガイドラインの一般的な内容を当社がまとめたものです。自社の作業が対象になるか、具体的にどう対応するかは、所轄の労働基準監督署などにご確認ください。
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