夏の建設現場は、熱中症のリスクがとくに高い職場です。
2025年の職場の熱中症による死亡者は、建設業が業種別で最も多い5人でした。
2025年6月からは、熱中症の報告体制や手順づくりが会社の義務になりました。
ただ、現場ごとに何をどこまで整えればよいか、迷う担当者も多いはずです。
この記事では、義務の中身と建設業で会社がやることを、厚生労働省の資料で整理します。
そのうえで、休憩所・詰所・資材倉庫の暑さをどう抑えるかを考えます。
建設業の熱中症は、いまどのくらい起きているか

厚生労働省によると、2025年の職場の熱中症による死傷者は1,803人でした。
統計を取り始めた2005年以降で、最も多い数です。
このうち建設業は292人で、製造業の365人に次ぐ2番目です。
死亡者は全体19人のうち5人が建設業で、業種別で最も多くなっています。
年 | 死傷者(全業種) | うち建設業 | 死亡者(全業種) | うち建設業 |
|---|---|---|---|---|
2024年 | 1,257人 | 228人 | 31人 | 10人 |
2025年 | 1,803人 | 292人 | 19人 | 5人 |
2021〜2025年の5年間では、熱中症による死亡者131人のうち52人、約4割が建設業でした。
※死傷者は、死亡と休業4日以上の合計です。
出典:厚生労働省「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(2025年確定値・2026年5月公表)
2025年6月から、何が義務になったのか
2025年6月1日、改正労働安全衛生規則(第612条の2)が施行されました。
熱中症のおそれがある作業について、事業者に新しい義務が加わっています。
対象になる作業
対象は「暑熱な場所」で行う作業です。
WBGT(暑さ指数)28度以上、または気温31度以上の場所を指します。
そのうえで、連続1時間以上、または1日4時間を超えて行われる見込みの作業が対象です。
臨時の作業でも、この条件を満たす見込みがあれば含まれます。
真夏の屋外の作業は、この条件に当てはまる日が多くなります。
現場ごとにWBGTを測り、当てはまるかを確かめておくことが出発点です。
会社がやらなければならない3つのこと

- 報告体制を整える:熱中症の自覚症状がある人や、熱中症が疑われる人を見つけた人が、誰に報告するかを決めておく
- 悪化を防ぐ手順を作る:作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じて医師の診察・処置を受けさせることなどの手順を、作業場ごとに定める
- 周知する:緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先・所在地とあわせて、作業する人に知らせる
建設現場のように複数の会社が同じ場所で作業する場合は、元方事業者(元請)と関係請負人(下請)のどちらにも、これらの措置の義務があります。
周知の対象には、自社の労働者だけでなく、一人親方などの個人事業者も含まれます。
なお、多量の発汗を伴う作業場で塩と飲料水を備えることは、以前から労働安全衛生規則第617条で義務づけられています。
違反したときの罰則
これらは労働安全衛生法第22条にもとづく義務です。
違反すると、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります(同法第119条第1号)。
法人にも罰金刑が科されます(同法第122条)。
出典:労働安全衛生規則 第612条の2/厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について」(基発0520第6号・2025年5月20日)
2026年10月には、初めての書類送検も
2026年10月5日、大阪府の羽曳野労働基準監督署は、元請として土木工事を行う大阪府の会社と代表者を、この規定に違反した疑いで書類送検しました。
発表によると、2026年7月に元請の土木工事現場で、作業していた労働者が暑熱環境下で亡くなっています。
報告体制と、悪化を防ぐ手順を定めて周知しなかった疑いです。
報告体制の規定での送検は全国で初めて、手順の規定では2例目とされています。
※送検は起訴や有罪の確定を意味するものではありません。
出典:大阪労働局 羽曳野労働基準監督署 発表資料(2026年10月5日)
建設業で会社がやること:現場ごとのチェックリスト
義務の中身は「体制」「手順」「周知」の3つです。
建設現場は、現場が変わるたびに連絡先や搬送先も変わります。
現場を立ち上げるときに、次の点を確かめておくと漏れを防げます。
義務にもとづいて準備すること
- 現場ごとの報告先(職長・現場代理人など)を決め、朝礼などで伝えている
- 離れた場所や少人数の作業でも、異変に早く気づける声かけ・巡視の方法を決めている
- 最寄りの医療機関と、緊急搬送先の連絡先・所在地を現場に掲示している
- 作業からの離脱、身体の冷却、医療機関への搬送までの手順を書面にしている
- 途中から現場に入る作業者や、一人親方など一緒に作業する個人事業者にも周知している
あわせて進めたい取り組み(ガイドライン)
- WBGTを測り、値に応じて休憩の回数や作業時間を見直す
- 休憩場所まで遠い現場では、移動時間を考えた休憩時間を設定する
- 持病のある人は、医師の意見をふまえて作業を配慮する
- 作業場所の近くに、涼しい休憩場所を確保する(次の章で詳しく紹介します)
報告体制・手順の作り方と、社内で使えるチェックリストは、職場の熱中症対策 義務化ガイドで法人の担当者向けにまとめています。
2026年3月の新ガイドラインが示す「休憩場所」と「WBGTを下げる」対策
厚生労働省は2026年3月、「職場における熱中症防止のためのガイドライン」を出しました。
それまでの「職場における熱中症予防基本対策要綱」に代わるものです。
ガイドラインは、熱中症のリスクに応じて行うことが望ましい方法を示したものです。
罰則つきの義務は、先に紹介した報告体制・手順・周知の3つです。
この2つは分けて考えてください。
作業場所のWBGT値を下げる
ガイドラインは、作業場所のWBGT値を下げるよう努めることを求めています。
例として挙げられているのは、次の3つです。
- 熱を出すものと作業する人のあいだに、熱を遮る遮へい物などを設ける
- 屋外では、直射日光や地面・壁からの照り返しを遮る簡易な屋根などを設ける
- 適度な通風や冷房の設備、ミストシャワーなどの散水設備を設ける
休憩場所を整える
休憩場所については、作業場所の近くに、冷房を備えた休憩場所または日陰などの涼しい休憩場所を確保するよう求めています。
休憩場所は、空調設備などを備えていることが望ましいとされています。
あわせて、次のような点も挙げられています。
- 足を伸ばして横になれる広さを確保する
- 空調設備・氷・冷たいおしぼり・シャワーなど、身体を冷やせる設備や物品を置く
- できるだけ、作業する人がすぐに使える場所に置く
元請・発注者にも求められる配慮
ガイドラインは、注文者に対して、熱中症対策のための経費や工期・納期に配慮することが望ましいとしています。
作業場所を管理する事業者には、請け負った会社から休憩場所について要望を受けたら、誠実に協議して適切に対応することが望ましいとしています。
下請の立場でも、休憩場所の暑さは元請と相談してよい事項だということです。
出典:厚生労働省「職場における熱中症防止のためのガイドライン」(基発0318第1号・2026年3月18日)
建設現場のどこに、どんな暑さ対策が合うか
建設現場の暑さ対策は、場所によって合う方法が違います。
屋外の作業そのものと、屋根と壁のある場所とでは、打てる手が変わるからです。

場所 | 主な暑さの原因 | 合う対策の例 |
|---|---|---|
屋外の作業場所 | 直射日光・地面からの照り返し | 簡易な屋根・日よけ、送風・ミスト、作業時間の見直し |
仮設のプレハブ(休憩所・事務所) | 屋根・壁・窓が日射で熱くなる | 冷房、日よけ、身体を冷やす物品 |
常設の詰所・休憩所 | 窓から入る日射、冷房の効きの悪さ | 冷房の点検、窓の遮熱 |
資材倉庫 | 大きな窓からの日射、熱がこもる | 換気・送風、窓の遮熱 |
自社の事務所・営業所 | 窓際の暑さ | 窓の遮熱、ブラインド |
屋外の作業には、窓のコートは効きません
最初に正直にお伝えします。
当社の節電ガラスコートは、窓ガラスに塗って日射の熱を抑えるものです。
屋外の作業場所の暑さには効果がありません。
屋外の作業には、ガイドラインにある簡易な屋根や通風、作業時間の見直しなどが中心になります。
一方で、作業のあとに体を冷やす休憩所や詰所が暑いままでは、休憩の効果も下がります。
ここは、窓の対策が役立つ場所です。
休憩所・詰所・資材倉庫・事務所の窓の暑さ対策
夏の冷房時、室内に入ってくる熱の約73%は窓から入ります。
※夏の冷房期の数値です。
西日の当たる詰所や、大きな窓のある資材倉庫では、冷房を強めても窓際の温度が下がりにくくなります。
窓から入る日射を抑えることは、ガイドラインの「休憩場所を涼しく保つ」「WBGT値を下げる」という考え方に沿った対策のひとつです。
※ガイドラインが、窓の遮熱を名指しで求めているわけではありません。
窓の対策が合う場所
- 会社の敷地内にある、常設の詰所・休憩所
- 資材倉庫・作業場の窓
- 自社の現場事務所・本社・営業所の窓
- 長期の現場で、自社で所有している休憩用の建物
仮設のプレハブは、リース会社への確認が先です
現場の仮設事務所や休憩所のプレハブは、リース品であることが多くあります。
リース品の窓にコートを塗ってよいかは、リース会社への確認が必要です。
当社の液剤は剥離が可能ですが、型ガラス(すりガラス)は剥離ができません。
返却時の扱いも含めて、事前に確認してください。
節電ガラスコートの仕組み
節電ガラスコートは、いまある窓ガラスの内側に、専用の塗料をローラーで塗る工法です。
ガラスやサッシは交換しません。
近赤外線を80%以上、紫外線を99%以上カットします。
太陽の赤外線を吸収し、室内への熱の流入を抑える仕組みです。
環境省の環境技術実証事業(ETV)で、夏の冷房時の空調負荷を約25%低減した試験結果があります。

効果があらわれるのは、日差しのある日中が中心です。
室温が何度下がるかは、窓の方角・ガラスの種類・建物の条件によって変わります。
耐久年数は15年以上が目安です(屋内施工の場合・メーカー調べ)。
夏が来るたびに貼り替えたり付け替えたりする手間がかかりません。
熱割れについて
網入りガラス・熱線吸収ガラス・ペアガラス(複層ガラス)・LOW-E複層ガラスは、もともと熱割れの可能性があるガラスです。
節電ガラスコートはフィルムよりは熱割れリスクが低く、施工できるケースもあります。
ただしリスクがゼロになるわけではなく、東面にある網入りガラスなど熱割れリスクが高いと判断した場合は施工をお断りしています。
可否は、お問い合わせフォームから窓の写真や図面をお送りいただいたうえでご確認ください。
費用の目安
節電ガラスコートは税込13,200円〜/㎡(税別12,000円〜)です。
すりガラス(型板ガラス)タイプは税込15,400円〜/㎡(税別14,000円〜)です。
最低施工面積は10㎡で、これを下回る面積でも10㎡分(132,000円〜・税込)を申し受けます。
諸費用(養生・運搬・現場経費等)・出張費・高所費は別途お見積りです。
詰所1棟の小さな窓だけでは、10㎡に届かないことがあります。
詰所・倉庫・事務所の窓をまとめて施工すると、1㎡あたりの費用を抑えやすくなります。
よくある質問
Q. 建設現場の熱中症対策で、罰則があるのはどこまでですか?
A. 新しく罰則つきの義務になったのは、報告体制の整備、悪化を防ぐ手順の作成、その周知です。
休憩場所の整備やWBGT値の低減は、ガイドラインで望ましいとされる取り組みです。
Q. 下請の作業者への周知は、誰が行いますか?
A. 複数の会社が同じ場所で作業する場合、元方事業者と関係請負人のどちらにも措置の義務があります。
現場ごとに、誰がどう周知するかを決めておくと確実です。
Q. 窓にコートを塗ると、WBGTは何度下がりますか?
A. WBGTが何度下がるかを示せる根拠はありません。
窓のコートは、窓から入る日射の熱を抑えるものです。
効果は窓の方角・ガラスの種類・建物の条件で変わります。
Q. 現場のプレハブにも施工できますか?
A. リース品の場合は、まずリース会社に確認してください。
自社で所有している建物であれば、窓の写真・図面から施工の可否を確認します。
Q. 施工にはどのくらいかかりますか?
A. 窓10枚程度で1日が目安です。
施工時は除光液のようなにおいが出ますが、換気すれば2〜3時間でほとんど気にならなくなります(完全に抜けるまでは半日程度)。
まとめ
- 2025年の職場の熱中症の死亡者は、建設業が業種別で最多の5人
- 罰則つきの義務は「報告体制」「悪化を防ぐ手順」「周知」の3つ。元請・下請のどちらにも義務がある
- 休憩場所の整備やWBGT値の低減は、2026年3月のガイドラインで望ましいとされる取り組み
- 屋外の作業には窓のコートは効かない。合うのは常設の詰所・休憩所・資材倉庫・自社事務所の窓
- 仮設のプレハブはリース品が多く、施工の前にリース会社への確認が必要
現場の体制づくりと、休憩する場所の暑さ対策。
この2つを分けて進めることが、建設現場の熱中症対策の近道です。
詰所・倉庫・事務所の窓のご相談・お見積り
お見積りは無料です。
お問い合わせフォームから、詰所・倉庫・事務所の窓の写真・図面・サイズをお送りください。
施工できるかどうかと、概算のお見積りをお返しします。
施工の前に遮熱効果を確かめたい場合は、体感キットもお送りします。
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この記事に関するよくある質問
- Q.節電ガラスコートとは何ですか?
- A.今ある窓ガラスの内側のガラスに、施工するガラスコートのことです。夏は近赤外線をカットして太陽からの直射熱が入るのを防ぎ、日射のある日中の空調にかかる負荷を軽減します。環境省の環境技術実証事業(ETV)で、冷房時の空調負荷を約25%低減、冬場を含む通年では12.8%低減した試験結果がございます。空調費が電気代の50%を占める施設であれば、ETVの通年の空調負荷低減率12.8%から、電気代全体では6.4%の削減につながると試算できます。また、紫外線(紫外線A波、紫外線B波)をカットもできます。近赤外線と紫外線をWでカットできるのも節電ガラスコートの特徴です。
- Q.デメリットはありますか?
- A.主なデメリットとして、施工時に除光液のような溶剤臭が発生すること(換気により2〜3時間でほとんど気にならなくなり、完全に抜けるまでは半日程度)、完全硬化まで夏は約半月・冬は約1か月かかるため窓の清掃をお待ちいただくこと、防音効果や防犯ガラスとしての機能はないことが挙げられます。ただし、低コスト・高耐久・遮熱・UVカットといったメリットを総合的に考えると、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。
- Q.施工にかかる時間はどのくらいですか?
- A.窓の面積や枚数によりますが、一般的な住宅(窓10枚程度)であれば1日で完了します。オフィスビルなどの大規模案件でも、1フロアあたり1〜2日が目安です。コートの乾燥時間は夏場で約30分、冬場で約1時間です。
- Q.オフィスビルや商業施設など、大規模施設にも対応できますか?
- A.はい、対応可能です。節電ガラスコートは、DAISO様の全国1,100店舗以上への導入や、リッツ・カールトン・インド(約2,000㎡)の大規模施工など、法人・大規模案件での導入実績がある製品です(いずれもメーカー本部を通じた導入実績です)。オフィスビル、ホテル、病院、工場、店舗など、あらゆる法人施設に対応しております。まずはお気軽にご相談ください。
- Q.法人向けの見積もり・契約の流れを教えてください。
- A.まずはお問い合わせフォームよりご連絡ください。お見積りは無料です。現地調査も承ります(地域により、当社または提携の施工店がご対応します。遠方などの条件によっては、お受けできない場合があります)。窓の種類・面積・環境を確認した上で、最適なプランとお見積もりをご提出いたします(窓の写真・図面・サイズをお送りいただく形での概算見積にも対応しています)。ご契約後は、業務への影響を最小限に抑えるスケジュールで施工いたします。施工は最短1日で完了し、営業時間外や休業日の作業も承っております(6:00〜9:00/18:00〜23:00は25%割増、23:00〜6:00は50%割増となります)。
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この記事を書いた人
多田断熱リフォーム事業の責任者を経験し、全国の中古住宅の断熱性能を高める必要性を強く実感するも、コスト面(最低でも1,000万円〜)で全国に広めていくことの難しさを痛感。独立後に『コストを抑えて高い効果を発揮する節電ガラスコート』に出会い、自身で事業展開。法人施設から個人住宅まで様々な現場を手がけるとともに、法人向けに節電コンサルティング事業も行っている。
施工後のリアルな感想は
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有名インスタグラマーさんのご自宅にも節電ガラスコートが採用されています。
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