オフィスの電気代を下げたい。そう考えて調べると、LED化・こまめな消灯・クールビズといった対策がずらりと並びます。
ただ、どれをやると実際に何%下がるのかまで書いてある記事は多くありません。効果の大きさが分からないまま、着手しやすいものから手を付けることになりがちです。
この記事では、資源エネルギー庁が公表している「対策ごとの省エネ効果」を横に並べて比べます。そのうえで、一覧に載っているのに手つかずになりやすい対策を取り上げます。

オフィスの電気は何に使われているか

資源エネルギー庁の「夏季の省エネ・節電メニュー(事業者の皆様)」に、オフィスビルの電力消費の内訳が載っています。夏の17時頃の数字です。
設備 | 割合 |
|---|---|
空調 | 48.6% |
照明 | 23.1% |
その他(OA機器・コンセント動力・昇降機など) | 28.3% |
空調だけで電力のおよそ半分です。食品スーパー(空調24.3%)や卸・小売店(26.2%)と比べると、オフィスは空調の比率が突出して高い建物用途です。
つまり、オフィスの電気代を動かしたいなら、空調に手を入れるのがいちばん近道ということになります。
電力のピークは9時〜18時
同じ資料には、オフィスビルの電力消費は9時〜18時頃に高い状態が続くとあります。
執務時間とそのまま重なり、同時に日射がある時間帯とも重なります。空調が最も働いている時間に、窓から熱が入り続けている、という状態です。
出典:資源エネルギー庁「夏季の省エネ・節電メニュー(事業者の皆様)令和8年度版」
対策ごとの効果を数字で並べる

同じ資料には、オフィスビル向けの「基本アクション」と、それぞれの建物全体に対する省エネ効果が載っています。そのまま引用します。
対策 | 建物全体に対する省エネ効果 |
|---|---|
執務室の照明を半分程度間引きする | 12.7% |
執務室の室内温度を26℃から2℃上げる | 4.1% |
日中の日射を遮る(ブラインド・カーテン・遮熱フィルム・ひさし・すだれ) | 3.7% |
使用していないエリア(会議室・廊下等)を消灯する | 3.3% |
長時間席を離れるときOA機器の電源を切る・スタンバイにする | 2.8% |
使用していないエリアの空調を停止する | 2.4% |
冷凍機の冷水出口温度を高めに設定する(セントラル空調の場合) | 2.4% |
※ 一定の条件の下での試算結果です。建物の利用状況により削減値は異なります(同資料の注記)。
こうして並べると、順位がはっきりします。
照明の間引きは効果が大きいが、代償も大きい
12.7%は突出しています。ただし執務室の明るさを半分にするという対策です。
同資料も労働安全衛生規則の基準値(精密作業300ルクス、普通作業150ルクス)に留意するよう注記しています。
働く人の目の負担や作業効率と引き換えになるため、そのまま実行できる会社は多くありません。
設定温度を2℃上げても4.1%
空調でいちばん手軽に見えるのが設定温度です。26℃を28℃にして、建物全体で4.1%。
こちらも同資料に「熱中症にご注意ください」と明記されています。2026年から職場の熱中症対策は事業者の義務になっており、暑さを我慢させる方向の対策は取りにくくなりました。
日射を遮ると3.7%
そして、設定温度の1つ下に「日中の日射を遮るために、ブラインド、カーテン、遮熱フィルム、ひさし、すだれを活用する」=3.7%が並んでいます。
注目したいのは、この対策だけは我慢を必要としないという点です。
- 照明の間引き → 暗くなる
- 設定温度を上げる → 暑くなる
- 日射を遮る → 働く人の環境はむしろ良くなる
効果の数字は設定温度2℃分とほぼ同じ。それでいて、社内から反発が出にくい対策です。
※ この3.7%はブラインドやカーテンを含む「日射を遮る対策」全般に対する国の目安であり、特定の製品の効果を示すものではありません。
なぜ窓なのか
夏に室内へ入る熱の約73%は窓から
夏の冷房時、室内に入ってくる熱のうち約73%が窓から入ってくるとされています。
※夏の冷房期の数値です。
壁や天井より、窓のほうがはるかに多くの熱を通します。ビルの場合、基準階の外周がほぼ全面ガラスというケースも珍しくありません。
ブラインドを閉めても暑いのはなぜか

「うちはブラインドを下ろしている」というオフィスは多いはずです。それでも窓際が暑い理由は、熱が入る順番にあります。
日射はまずガラスを通過します。そのあとブラインドに当たり、ブラインド自体が熱を持ちます。
つまり熱はすでに室内に入っていて、ブラインドは室内で熱くなった板になっているわけです。まぶしさは減っても、熱そのものは残ります。
ガラスの段階で日射を減らさないと、この構図は変わりません。
オフィスの空調コストを窓から見直す
窓からの日射熱と空調コストの関係は、法人向けのページでも整理しています。あわせてご覧ください。
窓の対策を4つ比べる

窓で日射を減らす方法は大きく4つあります。工期と執務への影響も入れて比べます。
項目 | 節電ガラスコート | 遮熱フィルム | 内窓(二重窓) | Low-Eペアガラス |
|---|---|---|---|---|
費用の目安 | 税込13,200円〜/㎡(税別12,000円〜) | 18,000円〜/㎡ | 40,000円〜/㎡ | 45,000円〜/㎡ |
耐用年数の目安 | 15年以上が目安(屋内施工の場合・メーカー調べ) | 5〜10年 | 長い | 長い |
ガラスの交換 | 不要 | 不要 | 不要(内側に増設) | 必要 |
見た目の変化 | ほとんどなし | 製品による | サッシが増える | ほとんどなし |
曲面・型ガラス | 施工できる | 貼れない | - | - |
※ 節電ガラスコートは税込価格です。他工法は税別の一般的な目安(当社調べ・2026年時点)で、実際の金額は施工業者・現場により異なります。
※ 節電ガラスコートの最低施工面積は10㎡です。これを下回る面積でも10㎡分=132,000円〜(税込)を申し受けます。
※ 諸費用(養生・運搬・現場経費等)・出張費・高所費は別途お見積りとなります。
賃貸オフィスの場合、内窓の増設やガラス交換は原状回復と管理会社の承認が壁になります。ここで検討が止まってしまうケースは多いです。
節電ガラスコートがオフィスに向いている理由

節電ガラスコートは、いま入っているガラスの内側に専用の塗料をローラーで塗る工法です。ガラスもサッシも交換しません。
執務を止めずに施工できる

大型の資材を運び込む必要がないため、フロアや窓面を区切って部分ごとに施工できます。
執務時間外に作業したい場合も対応します。ただし6〜9時と18〜23時は25%割増、23〜6時は50%割増になります。
明るさと眺望を保てる
膜厚は約8μm(1000分の8ミリ)です。遮熱フィルムの50〜150μmと比べて非常に薄く、施工後の可視光透過率は75%以上を保ちます。
執務室の明るさを落とさずに日射だけ減らせる点が、照明の間引きとの決定的な違いです。
窓際席の温度差と熱中症対策
温度でみた効果の目安は次のとおりです(いずれもメーカー公表の一般値)。
- 直射熱を5〜15℃近く遮熱
- 窓際の温度差8〜10℃
- 室内全体で2〜3℃の温度低下が見込めます
2026年から職場の熱中症対策は義務化されました。窓際席だけ暑い、午後になると空調が効かない、という状態は、設備の問題であると同時に労務の問題にもなっています。
なお、効果を発揮するのは日差しがある日中が中心です。夜間の効果をうたうものではありません。
施工できない窓もあります
すべての窓に施工できるわけではありません。
フィルムよりは熱割れリスクが低く、施工できるケースもあります。
ただしリスクがゼロになるわけではありません。東面にある網入りガラスなど熱割れリスクが高いと判断した場合は施工をお断りしています。
熱割れの可能性があるガラスは、熱線吸収ガラス・網入りガラス・ペアガラス(複層)・Low-E複層です。可否は公式LINEで窓の写真や図面をお送りいただいたうえでご確認ください。
一方で、型ガラス(型板ガラス)や曲面ガラスは、フィルムは貼れませんが節電ガラスコートは施工できます。
施工時の臭いについて
施工中は除光液のような臭いがします。換気をすれば2〜3時間でほとんど気にならなくなり、完全に抜けるまでは半日程度です。
執務フロアでは、区画の分け方と作業時間帯をあわせてご相談ください。
電気代への効果はどう考えればよいか

環境省の環境技術実証事業(ETV)では、夏の冷房時の空調負荷を約25%低減した試験結果が示されています。試験で得られた数値であり、当社の施工事例の数値ではありません。
では電気代が何%下がるのか。これはビルごとに条件が違いすぎるため、一律の数字ではお伝えしていません。
窓の向き、ガラスの面積、階数、既存のブラインドの有無、空調の方式。どれが違っても結果は変わります。
南面と西面に大きな窓を持つフロアと、北面中心のフロアでは、同じビルの中でも差が出ます。
導入前の個別シミュレーションは、ご要望に応じて法人のお客様のみ承っています。図面と窓の条件をいただければ、実態に沿った形で試算します。
費用の目安を確かめる
面積を入れると概算が出るページをご用意しています。
導入までの流れ

- 公式LINEで窓の写真・図面・サイズをお送りいただく
- お見積り(無料)をご提出
- 施工可否(ガラス種別・熱割れリスク)の確認
- 施工日程・時間帯の調整(執務時間外の場合は割増を含めてご提示)
- 施工
実際にガラス越しの熱の違いを確かめられる体感キットもご用意しています。社内で説明する材料としてお使いいただけます。
よくある質問
Q. 賃貸オフィスでも施工できますか?
A. ガラスを交換せず内側に塗る工法なので、内窓の増設やガラス交換より承認が得やすい傾向があります。ただし判断は建物の管理者によりますので、事前にご確認ください。
Q. ブラインドがあれば十分では?
A. ブラインドは日射がガラスを通過したあとで受け止めるため、熱はすでに室内に入っています。まぶしさには効きますが、熱の量そのものは減りません。
Q. 執務室が暗くなりませんか?
A. 施工後の可視光透過率は75%以上を保ちます。膜厚が約8μmと非常に薄いため、見た目の変化は大きくありません。
Q. 冬はどうなりますか?
A. 冬は結露の抑制が期待できます。メーカー公表値では結露の発生を50%以上抑制するとされていますが、完全に防ぐことはできません。
コーティングが熱を吸収してガラス面が暖まる特性によるものです。結露を放置した場合に生じやすいカビ・ダニの発生リスクの低減にもつながります。
Q. どのくらい持ちますか?
A. 15年以上が目安です(屋内施工の場合・メーカー調べ)。遮熱フィルムの5〜10年と比べると、貼り替えの手間と費用がかかりにくい点が違いです。
まとめ
- オフィスビルの電力は空調が48.6%、照明が23.1%。ピークは9時〜18時
- 国が示す省エネ効果は、照明の間引き12.7%/設定温度2℃で4.1%/日射を遮って3.7%
- 照明と設定温度は「暗くする」「暑くする」と引き換え。日射を遮る対策だけは執務環境が良くなる
- 夏に室内へ入る熱の約73%は窓から(※夏の冷房期の数値です)
- ブラインドは熱がガラスを通過したあとに受け止めるため、熱の量そのものは減らない
我慢を増やさずに空調の負荷を減らせる余地が、窓には残っています。
まずは窓の写真をお送りください
お見積りは無料です。公式LINEで窓の写真・図面・サイズをお送りいただければ、施工できるかどうかと概算のお見積りをお返しします。
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この記事に関するよくある質問
- Q.節電ガラスコートとは何ですか?
- A.今ある窓ガラスの内側のガラスに、施工するガラスコートのことです。夏は近赤外線をカットして太陽からの直射熱が入るのを防ぎ、日射のある日中の空調にかかる負荷を軽減します。環境省の環境技術実証事業(ETV)の実証試験では、夏の冷房時の空調負荷を約25%低減した結果が得られています。これは試験で得られた数値であり、当社の施工事例の数値ではありません。なお電気代全体に対する削減率は「空調費の削減率 × 電気代に占める空調費の割合」で決まる別の数値で、その施設・ご家庭の空調の利用割合によって変わります。たとえば電気代の50%を空調費が占め、空調費が約25%下がった場合の単純計算で、電気代全体のおおよそ12%にあたります。また、紫外線(紫外線A波、紫外線B波)をカットもできます。近赤外線と紫外線をWでカットできるのも節電ガラスコートの特徴です。
- Q.デメリットはありますか?
- A.主なデメリットとして、施工時に除光液のような溶剤臭が発生すること(換気により2〜3時間でほとんど気にならなくなり、完全に抜けるまでは半日程度)、完全硬化まで夏は約半月・冬は約1か月かかるため窓の清掃をお待ちいただくこと、防音効果や防犯ガラスとしての機能はないことが挙げられます。ただし、低コスト・高耐久・遮熱・UVカットといったメリットを総合的に考えると、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。
- Q.電気代の削減効果を試算してもらえますか?
- A.法人のお客様には無料の現地調査・お見積りを承っております。そのうえで、電気代削減シミュレーションをご希望の場合は、ご要望に応じて法人のお客様のみ承っております(施設の窓面積、方角、空調設備などの情報をもとに作成します)。個人のお客様は空調の利用ペースによる差が大きく、試算が実態と合わないため、削減シミュレーションのご提供は行っておりません。目安として、一般的にオフィスビルでは空調費の約15%の削減が見込めます。高圧電力契約の場合は、ピークカットによる基本料金の引き下げ効果も加わるため、削減効果はさらに大きくなります。なお環境省の環境技術実証事業では夏の冷房時の空調負荷を約25%低減した結果が得られており、こちらの数値は建物の構造や窓の面積・方角による差を考慮して控えめに見積もった目安です。実証値は試験で得られた数値であり、当社の施工事例の数値ではありません。
- Q.節電ガラスコートの特徴は?
- A.既存の窓ガラスにコートすると、夏は暑い太陽熱をコートした面で、いったん約60%吸収し、その内の40%近くを再放射します。その分遮熱します。西日など直射日光のきつい窓では、同製品を扱う施工店の調査で、施工箇所と未施工箇所に最大約20℃の温度差が出た事例があります(ガラス張りショールームで13日間測定した個別事例の最大値です。効果は窓の方角・ガラスの種類・建物の条件により異なり、すべてのお客様に同じ効果をお約束するものではありません)。室内全体では2〜3℃の温度低下が見込めます(メーカー公表の一般値で、建物の条件により異なります)。また、紫外線を99%以上カットし、結露の発生を抑制する効果もあります。
- Q.施工にかかる時間はどのくらいですか?
- A.窓の面積や枚数によりますが、一般的な住宅(窓10枚程度)であれば1日で完了します。オフィスビルなどの大規模案件でも、1フロアあたり1〜2日が目安です。コートの乾燥時間は夏場で約30分、冬場で約1時間です。
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この記事を書いた人
すがや住宅商品のフランチャイズ本部で、技術サポート、リフォームブランド運営、規格住宅ブランドの立ち上げ・運営、研修講師、商品開発、工務店での家づくりサポートを担当。また、工務店の注文住宅づくりでお客様との打ち合わせや、現場を経験。 その後、節電ガラスコートと出会い、現場施工に転身。 暑い/寒いを我慢しない、紫外線攻撃に負けない、そんな住環境を皆様に届けようと日々奮闘。 どんな時も楽しくをモットーに、現場も楽しんでいます。
施工後のリアルな感想は
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